Dungeon Encountersで徹夜する

スクエニから10月14日にリリースされたRPG「Dungeon Encounters」。発売前からそこそこネットで話題になっていたように思うので知っている人も多いと思う。このゲーム、自分は面白すぎて寝不足になるほど遊んだのでつらつらと感じたことをメモ。

以下、思い切りネタバレになる内容も含まれているので、未プレイで今後購入予定のある人は要注意。

簡単だけど奥の深いゲームシステム

公式のページで説明されている様にDungeon Encountersは要素をギリギリまで削ぎ落としたゲームシステムが特徴。敵のアイコンは数字だしお店などのイベントも数字。キャラクタも用意された分だけで自分で作ることはできない。装備も武器2つ、頭、体、その他の5つしか装備できない。それ以外にもアビリティが…とか魔法が…とか贅肉を削り落とされている部分がたくさんあるが、それでも十分に面白いゲームシステムに仕上がっている。

絶妙な難易度調整

シンプルで奥行きのあるゲームシステムだけではなく、難易度調整も自分にとってはかなりいい感じに設定されていると感じた。

これは賛否両論あるだろうが、中盤を超える辺りまでは完璧なのではないだろうか?素直にダンジョンを探索して行けば、敵が強くなってもうこれ以上は無理!と感じる頃に次の強さの武器や防具、またはアビリティが手に入る。入手方法も普通に敵からドロップするものもあれば、それまでに発見している数値問題や地図問題から入手できるものもある。そして入手した装備やアビリティでそこより先の探索が行えるようになる。

例えば漸く到達した30階層はダンジョンが一本道。今までは敵を迂回して先に進こともできたが一本道ではアビリティが尽きれば必ず敵と戦わなければならない。しかし、20階層に比べて1段階強くなっている敵には今の装備だと勝ててもパーティーはボロボロに近くなる。そんな時に敵が新しい武器や防具を落としてくれて少しずつパーティーが強化され進める距離が延びる。

一本道なので戦闘は避けられない

この単純な繰り返しなのだが、ギリギリなタイミングで救いの手が差し伸べられる感じがたまらない。自分が強過ぎてもスリルは味わえないし、敵が強過ぎても探索できずにゲームが成り立たない。

ただ、最終装備群がかなり強いのでそれを入手し始めると一気にゲームが大味になる。クリティカルな敵の攻撃にさえ気をつければ、ただボタンを押していれば勝てるようになってしまう。が、調子に乗ってホイホイ先に進むと今度は敵がぶっ壊れな強さになるので一気にやられてしまったりもするのだけど…。このあたりは多分敢えてこういう調整になっているのだろうけど、好き嫌いは人によるだろう。

ミュングステナー銃強い!

キャラクタは固定

RPGの楽しさはキャラクタを作ることだと思っているタイプなので、キャラクタが用意されているタイプのRPGはあまり好きではない。が、このゲームではキャラクタを特徴づける要素がHPと装備重量とスピードしかないので、自分で作成するにしてもあまり特徴づけたキャラクタは作れないから用意されていて良かったのかもしれない。

用意されているキャラクタは、最初に拠点のアカデミーに居るのは数名で他、は街のどこかにいるかダンジョンのどこかで大抵は石か戦闘不能になっている。この、ダンジョンで行方不明になっているキャラクタ達をアビリティを駆使して探し出すのがまた楽しい。

行方不明者は大抵が石化か戦闘不能になっている

このゲームでは大抵のキャラクタは人間なので、キャラクタ間の特徴の違いが大して出ないのだが、一部そうでないキャラクタもいてそれらをダンジョンから探し出してパーティーに加えてみると、それぞれに特徴的な戦い方ができて戦術に奥行きが生まれる。

最初はどう言うことだかわからなかった「ナイフ&フォーク」が、ネコが敵を捕食するための武器だったり、ロボットの「高エナジーミサイル」は敵の防御力を破壊してくれたり。この辺り、中盤以降の味変的な要素として非常に良い具合に機能していると思う。

ロボット的な敵も食べてしまう

ただ、一つ残念なのはキャラクタ毎にバックグラウンドのストーリーが数行用意されていること。さらにキャラクタ間で関係のある者がいること。そして、ダンジョン内で行方不明だったキャラクタを関係のあるキャラクタが助けてもそこで特にイベントが起こるわけではないこと。全員が全く関係ないキャラクタならそれで良いが、関係のあるキャラクタ同士の場合は何か一言あっても良かったのではないだろうか?それがないなら最初からキャラクタ毎のバックグラウンドのストーリーは必要ないのではないだろうか?

長々と語られるが

個人的にはBloodboneの様にアイテムの方にフレーバーテキストを用意する方が好みだな。

探索

このゲームは地下1F〜99Fまで、地上も含めると合計100階層のダンジョンを探索することができる。10階層毎に趣の異なるダンジョンが用意されていてそれぞれの階層に潜る毎に名称と一枚絵が表示されるのだが、これがまたそのダンジョンをいい感じで表している。

失われた文明が…

個人的に好みなのは「忘れられた世界」。ダンジョンはどこかの工場のラインの様だし、BGMも機械の動作している音っぽくてその様子が目に浮かぶ。また「霧の丘陵」ではほぼ全てのタイルが見えない状態で自分が歩いてやっとそのタイルが表示される。BGMの風と時折聞こえる「ガサッ」という音が霧の中を彷徨っている気分にさせる。

工場のラインが並んでいるようにも見える

「霧の丘陵」ではタイルが見えないのだが、これはアビリティの「透明床発見」を取得すれば全て見えるようになる。そしてこの「透明床発見」のアビリティが「霧の丘陵」の終わり近くに配置されている。しかし、それまではどちらかと言えば一本道だった迷路なのに、このアビリティを取得するには他とは繋がっていない島の状態になっている部分へ何らかの方法で移動しなければならない。タイルが見えない状態でこれは非常に辛い。が、”前進”キーを押して一歩前に進むたびに方眼紙に地図を描きながらマップを埋めたことのあるユーザには、そんな辛いマップが逆に楽しくもあるのだ。

迷宮の島になっている部分

ちなみに、全タイル踏破の最後の1つの東座標がどうしてもわからず、力技で50回弱テレポートを繰り返してたどり着いたのだが、それは地図問題を先に解いておけばわかる場所だったという事実にはかなりショックを受けた…

先にこの問題を解いておけば…

戦闘

戦闘はスクウェアお得意のATB。

攻撃は物理攻撃と魔法攻撃に大別され、更に物理攻撃は近接攻撃と遠隔攻撃に別れる。敵には通常タイプと飛行タイプがあり飛行タイプは遠隔攻撃か魔法でしか攻撃できない。また防御力も物理と魔法に分かれておりそれぞれの防御力は対応した攻撃でないと削れない。

と言う条件で装備した武器で敵の物理もしくは魔法防御力を0にしてHPを削って行くのがこのゲームでの戦闘になる。キモなのは防御力を削って0にしないとHPを削れないと言う部分。どんなに防御力が小さく、どんなに攻撃力が大きくても、防御力が残っていればHPを削ることはできない。これに戦闘開始時のランダムなゲージの溜まり具合が相まって、戦闘をパターン化された単純なものでなくしている。

が、自分はほぼ魔法を使わずに先に進めることができた。魔法防御力が0の敵も出現するのでその時には魔法で攻撃すればすぐにHPを削れるのだが、敵を倒すまでの時間がかかるかどうかの違いだけなので普通に物理攻撃で倒していた。この時間がかかる部分で敵が何かクリティカルな攻撃を仕掛けてくるならば急いで倒す必要もあるが、状態異常の攻撃は基本的にアビリティで防ぐことができるのであまり急ぐ必要がないのだ。

状態異常はアビリティで防ぐことができる

また、自分の防御力が削られても次の戦闘の時には防御力が元に戻っていると言うのも、急がなくても大丈夫な要因の一つだろう。

音楽

BGMから戦闘時の音楽まで全てクラシックのハードロック?アレンジ。戦闘曲のエレキギターのサウンドが格好良い!

各階層毎に戦闘曲が変わるので曲ごとに敵との戦いの思い出がある〜

ちなみに自分のお気に入りは「霧の丘陵」の「ショパン 幻想即興曲」。探索に時間がかかったので聞いてる時間が長かったのも原因かな。

ところで「異次元空間」は何の曲のアレンジなのかわからないのだけど、なんだろう?

数値・地図問題

ダンジョン内にはイベントとして数値問題と地図問題と言う謎解きがそれぞれ16問づつ用意されている。これらを解くと座標が得られその座標に行けばアビリティやアイテムが取得できる。なかなか良い装備が手に入ったりして有用なことが多い。

が、これが難しい!地図は全タイル踏破していれば何とかなるが、数値問題は未だに最後の3問が解けていない。それでもトロコンに支障はないのだがやはり悔しい。

と言うわけで、最後の3問。

虹?一週間?

これは最初は虹?と思ったが7色の場合両端は赤と紫だ。(5色だと赤と青らしい!)次に赤が日曜日で青が土曜日の1週間?と考えたのだが、そこから先がどうにもならない。一週間を数字にするものって何だろう?もしくは全くの見当違いか?

最後は数値で終わる

数値問題の.や…はちゃんとその通りの意味がある。.は小数点だし、…は数字が続くことを意味する。なので…で始まって最後は数字で終わるということは、最後の数字より右側には数字が来ないと言うこと。少数で言えば割り切れてる。が、こんなに長い少数で割り切れる数って調べても出てこなかった。後は何かが収束するとかカウントダウンとかが怪しいかな〜

お手上げ!

これは全くのお手上げ。情報が少な過ぎるんじゃないだろうか…

それにしても、数値問題のおかげでかなり色々な数値を調べた。たまにはこうして昔の知識を思い出すのも良いのかもしれない。ウィキペディアありがとう!

最後に

「こういうのでいいんだよ、こういうので」と言う感じのRPG。シンプルにダンジョンに潜って探索して強くなる。Wizardryのゲームバランスをいい感じに調整して遊びやすくした感じ。多分、種族がとか、階層数がとか、装備の箇所がとか言い出して増やしてしまうと微妙なバランスが破綻してサクサク遊べなくなってしまうのだろう。できればシステムには極力変更を加えずに続編なんかもあったら嬉しい。あ、でもその時にはもう少しアイテムを掘る楽しさを増やして欲しい。MURASAMA BLADEやGarb of Loadsが出た時の感動をもう1度。あぁこうして素敵なゲームが壊れていく…

と言うわけで、Dungeon Encountersは世の複雑になったRPGに疲れたユーザにおすすめできる良質のゲームでした!

ところで、同時期にリリースされた「ドラゴンの島」も気になっている。あちらは体験版が用意されているので遊んでみたのだがやはりシンプルでいい感じ。ただ、声を聞かせたいゲームらしく、ファンタジーな世界の人間が日本語を喋るのが微妙と思ってしまうタチなのでちょっと。設定で音声を英語に変えられるのでそれで体験版をやってみたのだけど、やはり音声を聞くのはゲームのテンポが悪くなる気がする。(世の他のゲームでも喋るタイプは概ね嬉しく思わない…)

こちらも遊んでみたらメモを残すつもり。

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